通路の幅に工夫をこらしたい
家の中での人の動きを示した動線を考えることは、快適な住みココチを実現するために不可欠ですが、合わせて考えておくべきことは「通路の幅です」。
人が正面を向いて歩くのに必要な幅は、一般的に55cm~60cmとされています。
そのため、二人が正目を向いたまますれ違おうとすると110cm~120cmが必要となります。
もしこれより狭いスペースだと、どちらか片方、または双方がすれ違う際に横向きになる必要があります。
それほどすれ違うことがなければ良いのですが、二人で食事を作ることが多いなどある場合は、お互い気を使いすぎない程度のすれ違いスペースは確保したいものです。
近年特に多い対面キッチンの場合だと、特に注意が必要です。
対面キッチンの奥に冷蔵庫があると、家族が何か飲み物や食べ物を取りに行く際に、毎回、料理をしている人の後ろを通らなくてはならなくなるので、できれば冷蔵庫は対面キッチンの出入口付近に置きたいものです。
いくら家族といえども毎回、毎日と続くとお互いにストレスになります。
心地よく家族が暮らすためにも、この点への配慮は必要と言えます。
注文住宅だと、このような細かい設計についても工務店の担当者と相談しながら決めることができるため、ぜひ実践したいものです。
また、リビングの片隅を主要な動線として利用することができれば、幅の問題も解消しやすいでしょう。
トイレやリビングのドアの開閉により、別の動線が遮断されるようなことも避けたいものです。
ドアの吊り元を考慮したり、引き戸にするなど、別空間との動線が使い勝手が悪くならないよう配慮しましょう。
通路は意外に家づくりでは見落としがちですが、狭すぎるとこれはこれでストレスになりますし、心のゆとりも生まれません。
広すぎる必要はありませんが、動線を邪魔しない程度のスペースはしっかりと設計段階で確保するようにしましょう。