建物のことを考えながら土地を探す
プランニングが土地の弱点をカバーする
「東と南が道路になっている角地で、東西に長い土地」
それが住宅地として理想の形と言われています。
しかし、そのような土地は現実的にはかなりレアであり、またあったとしても人気で、価格も高騰しがちです。
南向きや整形地であっても最近の土地不足を考えると、土地探しは注文住宅において大変なことも多いのが現実。
しかし、必ずしも南向きや整形地でなくても、プランニング設計の工夫で面白い間取りはつくれるもの。
土地探しで重要なことは、「建物のことを考えながら土地を探す」ことです。
まず土地情報集めから
土地を探す場合、まずは情報を集めることからはじまります。
どんな方法があるでしょうか。
・お探しの土地エリアに強い不動産会社を訪ねる
・住宅ポータルサイトを閲覧(スーモやホームズ・アットホームなど)
・新聞やフリーペーパーの折込チラシを見つける
・自分で歩いて売り看板などを探す
などなど、いろいろな方法で土地探しというのはできるものです。
しかし、やはり新鮮でレアな土地情報ほど不動産会社へ問い合わせるのが最も有効です。
ネット情報にしろ、チラシにしろ、情報の発信元は必ず不動産会社にあるので、そこを抑える事が土地探しを成功させる重要なポイント。
ネット情報だけで土地探しは大変ラクですが、より土地をより確率よく見つけたいなら、間違いなく不動産会社の手を借りるのがベストです。
ただ、不動産屋さんは「不動産のプロ」ではありますが、家を建てる「建築のプロ」ではありません。
不動産屋さん目線では、あまり良い土地ではないという物件であっても、家を建てる工務店目線だと「こんなメリットがある」など、また別の視点を持っていることは多いです。
できれば土地探しは、家の設計・建築を依頼する予定の工務店・設計士と一緒に見に行き、検討するのが良いでしょう。
自分自身で確認する
現場へまずは行く
いずれにしても、候補となる土地を見つけたら、ネット検索や資料だけに目を通さずに、現場へ足を運びましょう。
駅までの徒歩の距離感やバス便ならバスの渋滞状況、小中学校までの通学路、周辺エリアの住人の年齢層、昼と夜との街の景色など、チラシやネット情報だけではわからないことはたくさんあります。
そういったことは全て現場へ直接行くことで知ることができます。
なによりも自分自身で確認することが重要です。
中古一戸建てを土地として検討
土地を探す=更地と思われている方も多いかもしれません。
しかし、土地探しをしてみると、なかなか更地というものは少ないことに感じるのではないでしょうか。
そこで検討したいのが「中古一戸建て」です。
ご希望のエリアにどうしても更地の土地が無い場合、中古一戸建てを探してみましょう。
中古一戸建ての場合、数年間は住んで風や日当たりを生活する中で確認してそれから家を建て替えてもいいですし、築年数が古ければ即解体して新築を建てるのも良いでしょう。
解体費用の目安として、現場と道路の高低差や、建物の構造、植栽や家具等の残存物の有無、重機と手バラシの割合などに応じて異なりますが、坪5万円は平均して必要となります。
古家付きの場合はこの建物解体費用も含めて資金計画を立てて、また住宅ローンを組むようにしましょう。
定期借地権の土地を探す
土地を買うのではなく「借りる」という方法もあります。
50年後に更地にして返さなければいけない「定期借地」などはその代表です。
土地費用を安く抑える事ができる点がメリット。
ただし、土地の所有権を得るわけではないので、住宅ローンを含めて資金計画が少し大変で制限が加わる可能性もあります。
現地へ見に行くときの注意点
土地を客観的に見るためにもいくつか重要なポイントがあります。
現地へ行く際に次のことを注意していただくと良いでしょう。
・昼と夜に分けて見に行く
・あらゆる角度から写真を撮っておく
・車で現場へ乗り付けない
・一人で見に行かない
・隣人へ周辺情報を尋ねる
いざ土地を買う
建物とセットでローン申請
土地が見つかりいよいよ契約となったら・・・
土地を即契約かというと、ここ最近はそうではありません。。
土地の売買契約をするまえに、住宅ローンの仮審査を通す必要が最近は多くなっています。
(仮審査が通らないようであれば、土地売買契約自体が無駄になってしまうためです)
ですので、土地の買付をしたら、まずは住宅ローンの仮審査申込となります。
とはいっても、住宅ローンというのは名前の通り「住宅」のためのローンです。
つまり、「土地だけ」のためのローンではありません。
ですので、住宅ローンを申込する場合は土地と建物をセットで申し込む必要があるのです。
こういった点からも土地探しの段階から建物を依頼する工務店と共に土地を探し、土地が見つかれば建物プラント概算見積りを作成してもらっておくことで、住宅ローンの仮審査もスムーズに進めることができるでしょう。
土地の売買契約を交わす
土地の売買契約の際に次の点は確認しておきましょう
・隣地との越境の有無と引渡しまでの対応(植栽や屋根の軒の出、電線など)
・チラシに掲載の内容(土地面積や建築基準法や条例など)と、契約書に記載の内容の相違の有無
・登記簿を確認しておく
・特約条項は特に注意して確認し、不明な箇所は細かな説明を依頼する
登記をして完了
土地の売買契約を結び、決済を迎えて土地代金を売主に支払うとそれで終了ではありません。
土地の所有権が移転したことの登記、また住宅ローンを組む場合は金融機関による抵当権設定登記などをおこなう必要があります。
ただ、この登記手続きは売主・買主が直接おこなう訳ではなく、司法書士という専門家に依頼するのが一般的です。
専門家に依頼するので署名や押印などをおこなえば、あとは司法書士が進めてくれるので安心ですが、費用は当然にかかります。
登記の内容にもよりますが、数十万円は必要なため、資金計画時に予算をみておく必要はありますので、注意しましょう。