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家を建て替えたい!費用はいくらかかる?

2022-11-11

家を建て替えたい方は必見!注文住宅の前に知っておきたいこと

建築年数が25年を過ぎたあたりから、家を建て替えようかと検討する方も多いのではないでしょうか?

また、実家を相続したのをキッカケに実家を建て替える、二世帯住宅にすると考えている方も多いと思います。

 

そんな建て替え検討中の方が特に気になるのが「いくらくらいで建て替えできるのか?」という「費用」についてではないでしょうか。

 

ここでは、建て替えにはどんな費用がかかり、また具体的にはどのくらい予算を考えておく必要があるのかをご紹介していきます。

金額をシュミレーションした具体的な金額事例も掲載しております。

ぜひ、参考にしていただけたらと思います。

 

建て替えに必要な費用とは

まずは、建て替えにかかる費用とはどんな費用項目があるのか?

 

家を建て替える場合には、建物の建築費用はもちろん、建物本体の費用以外にもかかる費用が数多くあります。

それぞれどんな費用なのか?

いくらぐらいかかるのか目安を覚えておくことが重要です。

 

新築建物の本体工事

新しく建てる建物の本体工事のことです。

新築の建物費用は、延床面積や建物形状、木造なのか等の構造、住宅設備機器や内装材などの仕様により大きく異なります。

それぞれの工務店やハウスメーカーにより特色が異なるので、どんな建物をどの価格帯を得意としているのかは、事前調査しておきましょう。

 

既存建物の解体費用

建て替え独自の費用として挙げられる「建物の解体費用」。

更地であれば、必要のない工事ですが、建て替えの場合は、既存の建っている建物を解体して更地にする必要があります。

解体する建物が、木造なのかそれ以外か、建築年数が古いのか新しい建物なのか、屋根材は瓦材かスレート材なのか、隣地隣家との距離は十分に空いているか、重機を利用できるのか手バラシ解体なのか等により、解体費用はことなります。

 

測量費用

解体工事が完了して更地になったら、改めて測量をおこないましょう。

建て替えする土地の多くは、かなり昔に測量されており、当時の測量では狂いが生じている可能性もあるためです。

そのため、仮測量などをおこない、更地の現況状態で土地の形状や高低差などを明確にしておきましょう。

このことで建築をスタートする際にスムーズに進めることができます。

 

設計費用

建物の計画ができたら設計図を作成し、役所等の諸官庁へ建築確認申請を出す必要があります。

設計図書には、平面図、立面図、配置図などの基本的な設計図書以外にも、換気計画や採光計画など以外にも構造計算書なども添付される場合もあります。

それらの設計図書の作成費用が、設計費用となります。

 

登記費用

登記は司法書士・土地家屋調査士等の専門家に依頼します。

既存の古家を解体した時には「建物滅失登記」、建物が建った時には「建物保存登記」する必要があります。

また、住宅ローンを借り入れして新築する場合は一般的に土地や建物に「抵当権設定登記」をする必要があります。

住宅ローンを利用するのか、現金のみで建築をするのかで、この登記費用が数十万円の差が生まれます。

さらに、古家の住宅ローン残債がある状態で建て替えをする場合は、既存建物の住宅ローン先への残債抹消と共に「抵当権抹消登記」手続きも必要になります。

 

住宅ローン

現金での建て替えではなく、住宅ローンを借りて家の建て替えをする場合は、住宅ローンに関する費用がかかってきます。

住宅ローンの借入費用としては、住宅ローンの申し込み手数料である「融資事務手数料」、借入期間と借入金額に応じて定められている「保証料」、銀行に借入申し込みする金銭消費貸借契約書へ貼付する「印紙代」などがかかります。

 

フラット35などでは、民間銀行とは多少、名称が異なりますが、似たような住宅ローン諸費用がかかると思っておけばいいでしょう。

また、住宅ローンを借りる場合は、民間の火災保険への加入も必須となることが一般的です。

 

地鎮祭と上棟式

建物を建てる際に、要所要所でおこなわれる行事です。

地鎮祭とは、新しい建物を建てる前に、工事の安全を祈願して行う儀式です。

新しく土地を購入する方の多くが開催する場合はありますが、建て替え等これまで住んでいた土地に対しても、改めて神様へのご報告としても地鎮祭を開催する方も多くおられます。

 

一方、上棟式は、柱や土台、梁などの横架材、屋根組が組み立てらる上棟時に合わせておこなわれる行事です。

地方では、近所の方へ餅を撒いたり、ご祝儀を撒くという地域もありますが、大阪などの都市部では比較的にこのようなことは少ないです。

上棟式では、御神酒や塩・米などを通し柱などにまき、また記念写真の撮影や、大工さんとの顔合わせなどをおこない、地鎮祭ほどの神事のような雰囲気とはまた違います。

 

 

費用の目安とは

では、建て替えに必要な費用はおおよそいくらくらいなのでしょうか?

あくまで目安となりますが、知っておくことは重要になりますので、ぜひおさえておきましょう。

 

全国の平均費用は3,055万円

まずは、国土交通省の「令和2年度住宅市場動向調査報告書」によると、戸建て注文住宅の建て替えの全国平均額は3,055万円です。

このうち、自己資金の平均額は1,715万円で、自己資金比率は56.1%となっています。

 

建て替えの場合は、建売住宅とは異なり一棟一棟でご希望に沿った間取りや仕様を決めていく注文住宅スタイルです。

建物の延床面積や形状、内装材や外装材、住宅設備機器などの仕様によってもかなり金額の差は異なります。

また、敷地の条件によっても金額差は生まれます。

土地が平坦地なのか高台なのか、道路や隣地と高低差があるのかないのか、現場までの道が広いのか狭いのか、上下水道などのインフラ設備が完備しているのか等、土地の条件により、建て替え予算も異なります。

 

 

 

建て替えシュミレーションを見る

具体的な事例から建て替え費用を計算する

土地の条件が整っていて、延床面積20坪台の木造2階建てであれば建物本体工事だけで言えば1000万円台から建築は可能でしょう。

たとえば、インフラ完備・道路隣地高低差が無い非防火地域にある土地に、延床面積28坪の木造2階建て、3LDKの間取りの住宅を建築する場合を想定してみましょう。

 

◇建物本体工事 1,880万円 (建物外付帯工事・設計費を含む)

◇既存建物の解体費用 150万円

◇測量費 10万円

◇登記費用 60万円

◇住宅ローン費用 100万円

◇その他地鎮祭・印紙代 10万円

◇火災保険 30万円

◇仮住まい費用 60万円

◇引っ越し代 20万円

◇カーテン・照明器具・エアコン 100万円

 

このシュミレーション事例の建物で建て替えをする場合、建て替えの総額予算は、2,420万円となります。

 

もちろん、建物の間取り、仕様や形状、土地の条件などにより金額は異なるのですが、一例として参考にすることができる資金計画ですので、どの程度の予算が必要かイメージがつくのではないでしょうか。

 

 

費用の支払いタイミングを知る

工務店やハウスメーカーへ 建て替えを依頼する場合には、どのようなタイミングでお金の支払いが必要なのか、知っておくことも大事です。

親族などからの資金贈与や、定期預金などを解約して支払いに充てる場合など、現金での支払いの場合は特にスケジュール管理は重要です。

 

1.設計契約料

工務店やハウスメーカーによっては、初回のプラン作成は無料で、2回目以降のプラン作成や具体的な敷地調査を行う場合は「設計契約」という建物請負契約の前に仮契約のようなものをおこなう会社もあります。

 

10万円程度から数十万円の場合など、会社によりさまざまです。

一方で「設計契約」がなく、建物請負契約まで一切の費用が不要という会社も多数あります。

 

2.建物請負契約の契約金

建物請負契約時に支払う契約金で、請負代金の一部に充当されます。

目安としては、請負契約金額の10%が目安となります。

 

3.解体費用

請負契約金額に含まれる場合もあれば、解体費用は実費を別途で支払うという会社もあります。

実費の場合は、建物解体時に支払うという場合は、この段階での支払いとなります。

解体費用は百万円単位の高額な工事なので、住宅ローンを利用する場合は必ず借入計画に入れておくことを忘れないようにしましょう。

 

4.工事着工金

建築確認が下りれば、基礎工事という建物本体工事の最初の工事がスタートします。

この段階で、「工事着工金」の支払いがあります。

契約内容に応じて金額は決まっていると思いますが、およそ請負契約金額の25%~30%が目安となります。

 

5.工事中間

基礎工事が完了すると、土台敷きをおこなって、いよいよ棟上げ上棟です。

上棟時や、上棟後の中間検査の段階で、この「工事中間金」の支払いがあります。

契約内容に応じて金額は決まっていると思いますが、工事着工時と同じく、およそ請負契約金額の25%~30%が目安となります。

 

※契約時から工事中間時までの段階で、建物請負金額全体の60%~70%くらいが支払いの目安となります。

 

6.工事完成金

建物本体が完成すると、建物残代金である工事完成金の支払いとなります。

オプション工事などがあれば同じく工事完成金とともに支払うということになります。

 

また、登記費用や火災保険費用、銀行保証料などの諸費用なども、この建物完成引渡しの段階で支払うことになります。

 

 

建て替え費用を安くするコツ

建て替え費用は、安くできるのであれば安くしたいものです。

 

しかし、「費用は安い方がいい」と言っても、「基本性能に影響を及ぼす大事なことを削減することで安くする」では、本末転倒で意味がありません。

 

建て替え費用を安くするコツ・・・

 

それは「基本性能に影響を及ぼさない無駄なことを削減することで安くする」

ことです。

 

つまり、住宅展示場への出展やモデルハウス建設、豪華な来場記念品やカタログ、過剰な人員配置など、「建物の基本性能に関係のないもの=“無駄な営業経費””」に、過剰な予算をかけている工務店やハウスメーカーはNGということです。

 

「基本性能に影響を及ぼさない無駄なこと=無駄な営業経費」は最小にして、「家の基本性能へのコストを重視した家づくり」に取り組む工務店やハウスメーカーで、家づくりすることが「建て替えを安くするコツ」と言えるでしょう。

 

 

建て替えとリフォームの費用の比較

建て替えをお考えの多くの方が、同時に検討することが多いのがリフォームです。

建て替えにすべきか、リフォームにすべきか、それぞれの特性を見たうえで、検討しましょう。

 

まず、考えるべきは、

「“家族構””から見て、今の家のボリュームと、これから目指す暮らし方が、現状のままの間取りを基本にして叶うのか?」という視点が重要です。

 

家族構成が今の住宅の間取りでは不十分であったり、目指すべき暮らし方があっていなければ「建て替え」すべきです。

 

一時期は、家族構成が合わなければ、増築したり、減築するという考えもありました。

しかし、耐震基準が年々厳しくなり、簡単に増改築での建築許可が下りにくくなりつつあるのが現状です。

 

また、大掛かりな耐震工事は結果として建て替え以上のコスト(将来的なランニングコストも含めて)がかかる可能性があります。

ですので、このような場合は、やはり「建て替え」すべきでしょう。

 

 

一方、現状の間取りを基本にして、壁の増加や削減など程度で、あとは内装リフォームや住宅設備機器の入れ替えで十分だと思うのであれば、「リフォーム」でいいでしょう。

 

但し、この場合でも耐震性能に問題がないかは十分に検討すべきです。

どんなに見た目がきれいになり、新品のキッチンやトイレを採用しても、耐久性や耐震性に不安を感じていては、せっかくのリフォームも台無しになってしまいます。

 

このように「建て替えかリフォームか」は、費用で検討すべきではありません。

「建て替えは高くて、リフォームは安くつく?」

こんな単調な考えは捨てて、将来的な家族計画や暮らし方という視点から選択すべきでしょう。

 

 

建て替えの注意点

ここまで一般的な建て替え費用の事例をご紹介してきましたが、建て替えに支障を及ぼす条件がいくつかあります。

どんな条件の時なのか?注意点を十分に確認して、しっかりとおさえておきましょう。

 

再建築不可物件

建築基準法では、建物を建てるための敷地は、幅員4m以上の道路に、2m以上接道していなければいけないという大原則があります。

まず、幅員、つまり道路の幅が4m未満の場合は、セットバックということをしなければいけません。

セットバックの説明はここでは割愛しますが、セットバックするためには、側溝を再整備したり、申請も伴うために、余分に費用がかかることになります。

 

また、「道路」についても注意が必要です。

自分の家の前面道路が見た目は「普通の道路」であっても、実際は「道路法上の道路」ではないために、自分の家の土地では建て替えができない、いわゆる「再建築不可物件」であるいう場合もありえます。

 

この場合は、そもそもの建て替え計画が大きく崩れてしまい、マイホーム計画の予算も大きく変更しなければいけない場合もあります。

 

既存不適格建築物

建築基準法その他の法律の改正などにより、現在の基準・法令の基準を満たさない建物のことを「既存不適格建築物」といいます。

自分の家が既存不適格建築物である場合、建て替えするまでは現在の基準に適していなくても許されるのですが、今度新たに建て替えする場合には現行の法令に従う必要があります。

 

つまり、建蔽率や容積率などをはじめとした建築の現在のルールに従う必要があるのです。

 

このことにより、現状の建物よりも建て替えすることで建物のサイズが小さくなる場合もありえます。

今と同じサイズの家を建てられると思って建て替えを計画していたが、工務店やハウスメーカーに設計を依頼したら現状の建物以下のサイズになり、希望が叶わなくなったということにならないよう、建て替えを検討しはじめたら、自分たちが想像する建物を本当に建てることができるのか、建築のプロに早めに確認してもらうようにしましょう。

 

詳しくは「失敗しない土地の選び方」をご確認ください。