失敗しない注文住宅! これだけは知っておきたい注文住宅 成功の秘訣※
多くの方にとって注文住宅は、「はじめての経験」というのが一般的ではないでしょうか。
「はじめての経験」であり、「人生最大額の買い物」だけに、「失敗」はしたくないですよね。
だからこそ、ここでは「家づくりで失敗しないために知っておくべきこと」をお伝えします。
逆にいうと、「こういう家は建てるべきではない」ということもお伝えします。
なぜそういったことを、あえて伝えたいのか!?
それは、この住宅・建築業界に20年以上いて感じる
「建て主の未来を考えない理不尽な家づくりが多すぎる!!」
と、日々感じているからです。
失敗しないための、注文住宅の家を建てる秘訣をここではお伝えさせていただきます。
日本の住宅寿命が短い訳
“昔の家”と“今の家”の違いを知ることから、家づくりが始まる
“昔の家”と“今の家”は、何が違う?
“昔の家“に比べて、”今の家“はある意味、とても良いグレードの建物になっています。
床や壁、天井・屋根には断熱材が入り、ペアガラスの二重窓も当たり前。
24時間換気なども必須となり、高気密高断熱の家が日々進化しています。
建築金物や耐力壁の設計基準も2000年以降、厳しくなり、また検査なども厳しくなり、保険制度も充実して来ました。
家を建てることは誰もが安心して叶えられるものになったと言えます。
ところが、“昔の家”に比べて“今の家”の方が、材料の質が低下したものがあります。
それが、土台や柱など家づくりで一番重要な「構造材」です。
“今の家”の構造材は、日本の木を“使わない“のが主流
日本にはたくさんのヒノキやスギがあるのは、多くの方が知っていることだと思います。
でも、日本の“今の家”の構造材には、日本の木はほとんど使われていません。
日本の木造住宅の多くでは、ノルウェー産やオーストラリア産、ロシア産など、海外から輸入された木を、土台や柱などの「構造材」に使っています。
そして、その多くが“ホワイトウッド”という木です。
では、家づくりで一番重要な構造躯体に使用されるホワイトウッドという木は、一体どういう木なのでしょうか!?
これを知ることは、これから家を建てる上で、非常に重要です。
日本の木造住宅で使われている木材の真実
説明しようとしないハウスメーカー・住宅会社
ホームセンターで出回っているホワイトウッドという木を知っていますか?
現在、大手ハウスメーカーをはじめ住宅会社・工務店の多くの現場で、木造住宅の重要な部分である構造材に使用されている木なんです。
でも、この“ホワイトウッド“という木の真実、知っていますか???
このホワイトウッドが腐りやすい木である事は、木材業者ならよく知っています。
しかし、住宅メーカーを訪れた人には、営業マンは決してこの事実を説明してはくれません。
「乾燥され、管理された木材を、自社工場でミリ単位で精密に加工し・・・」という説明だけで、木そのもののデメリットは説明はしてくれません。
野ざらし3年で朽ち果てるホワイトウッドという木
木材・住宅情報交流組織LICC(リック)の試験によると、野ざらしで3年間スギ、ヒノキ、ベイツガ、ホワイトウッドを放置していた結果、ホワイトウッド以外の3樹種は朽ち果てず表面に傷がある程度であるのに対して、ホワイトウッドだけは原型をとどめず形が崩れてしまったという実験結果が出ています。
また、「独立行政法人 森林総合研究所」の耐朽ランキングでも、ホワイトウッドは「極小」ランクです。
同種の実験で、4年半後にはホワイトウッドは完全に朽ちて崩壊しています。
ちなみに、ヒノキやスギなどは、白太は多少傷んでいるものの、問題無しとの事です。
家の一番重要な構造躯体に、このような腐りやすい木を使っているという“今の家”の事実、知っていましたか???
第2のアスベスト問題!?
このような点から見て、ホワイトウッドは高温多湿な日本の木造住宅の重要な部分である構造材には絶対に使用してはならない木だと、私たちは考えます。
住宅会社の担当者にホワイトウッド使用に対する説明を求めると、「腐りやすいというのは、あくまでも水や湿気が付いた場合です。
当社は完全な防腐処理をしていますから、そのようなことはありません。」などと言います。
でも、一般的に使用されているアリピレスなどの農薬系木材防腐処理・シロアリ駆除剤の効果はたった5年程度です。
35年の住宅ローンを組んで、安心なのはたった5年・・・
5年後以降は、どうしろというのでしょうか・・・
結露から生じた湿気が壁内にこもり、少しずつ柱などの重要な木を腐らせていく。。。
シロアリなどの害虫被害もどんどん進んでいき、数年後には家が傾く・・・
なんて、最悪なシナリオも、あながち想像の世界の話しではないんです。
現在、関西でのあくまで統計的な感覚ですが、新築の木造住宅の80 %~90%がホワイトウッドの集成材で建てられていると思われます。
材木屋さんのお話だと、少なくともこの枚方市近郊で国産材を構造材で使用している住宅会社は、森田建設を含めて数社だとのことです。
全てが倒壊する訳ではありませんが、「長持ちしない家」である事は間違いないでしょう。
我が家の一番重要な構造材にもっと真剣にこだわるべきです。
アスベスト問題のように将来問題が大きくなる前に、“構造材選び”を施主様自身で選ぶ時代が求められます。
住宅の寿命はどれくらい?
大手住宅メーカーの営業マンに「住宅の寿命はどれくらいと想定してますか?」と質問してみたところ、「25年です」と明確に回答していただきました。
何のためらいもなく営業トークとして平然と言っている事と、25年という短さに驚きました。
電球と同じで、「一定期間で壊れる事で次の需要を作る」という消費原理で家造りをしているのが、こうした大手やパワービルダーの考え方ではないでしょうか。
土台にも樹種不明の集成材を使用している一例もあるなど、我が家がこれだと怖過ぎです。。。
一方では100年もつ家造りを提唱して活動している人たちもいます。
消費者にとって「いい家」とは、一体どちらでしょう?
制震ダンパーや、○○工法も役立たない!????
これまでホワイトウッド集成材で建てる家って大丈夫!?って話しをしてきました。
ここまで聞くと、こんな弱い木材じゃあ地震が来たら不安という方が多くおられる一方、「制震ダンパーを付けるから、地震にも強くて安心でしょう!」という認識の方もおられます。
確かに制震ダンパーなどは非常に優秀ですから、付けないより付けた方が良いと思います。
ですが、重要なのは、いくら優秀なアイテムを揃えたって、骨組みとなる木造の骨格部分が害虫被害や結露などが原因で腐って傷んでしまっては、全く意味を成しません。
大切なのは、大事な構造躯体を長く安心して使える材木を選び、その上で、制震ダンパーなどの耐震アイテムを装備すべきなのです。
大切なことは「建てた時」ではなく、「20年・30年、その先」我が家は安心して暮らせる家なのか!?ということ。
とりあえず10数年持てばそれでいいという考え方なら、安価なロシア産や北欧産の集成材で建てる家で十分でしょう。
(安かろう悪かろうという建売住宅なら山ほど売り出されているのでオススメします。)
しかし、20年、30年、その先まで丈夫で安心して暮らしていける“住み継ぐ家”が欲しいという方には、ぜひ家の「構造材」には、こだわってほしいと思います。
日本の昔の家は、構造計算すらせず、筋交いもほとんどなく、現代の建築金物なども使用していませんでした。
しかし、築50年、60年経っても倒壊せずに現存している理由、それは日本の昔の家はみんな国産材のいい木を構造材に使った木造住宅だったからです。
家の構造材は、みなさんが思われるよりずっと重要なものです。
ぜひ構造材にこだわった上で、楽しい家づくりを叶えていただきたいものです。
「今の普通」と「昔の普通」の家の違い
注文住宅でこれから家を建てようと検討中の方へ「どんな家が希望ですか?」と聞くと、「普通の家でいい」と言われる方が結構います。
多くのお客様が思われる「普通の家」と、一般的な工務店やハウスメーカー、分譲不動産業者が思う「普通の家」はおおよそ一緒です。
床は複合プリント貼りフローリング、ビニールクロス貼りの内装、構造材はホワイトウッド等の外国産集成材といった感じです。
これがまさに現代の「普通の家」です。
多くの分譲住宅でもこのような建物がわんさか建てられています。
「ビニールクロス以外の内装なんて聞いたことないし、見たこともない」
「床材といえばメーカーから販売される複合フローリングしか知らない」
という方が多いのではないでしょうか。
しかし、昔の日本の木造住宅は決してそうではなかったのです。
「昔の家」は床材はヒノキやスギの国産材の無垢フローリングが当たり前。
柱なども国産材のヒノキで、梁にはスギや米松なども当たり前のように使っていた。
土の塗り壁や和紙・障子をつかった“自然素材”たっぷりの住宅こそ「昔の普通」だったのです。
自然素材で壁や床、構造にいたるまで使用していた「昔の普通」の家では、その快適性はもちろん「シックハウス」なんて問題どころか言葉すらなかったのです。
住む人にやさしい国産材で建てる家が「昔の普通」の家だったのです。
ところが1970年代のオイルショック以降に新建材と呼ばれる糊や接着剤をべたべたと貼った建材が普及し室内の空気環境が悪化。
さらに、自然素材をつかって高温多湿の日本で過ごしやすいように作られていた昔の日本の夏型住宅は、暖房効率を重視した気密性の高い冬型住宅に変化していきます。
そのことで汚れた住環境の空気がずっと室内にとどまることでより住む人に悪影響を及ぼす事態を生み、結果としてシックハウスを招くことにもなりました。
気密性が高く手暖房が聞いてぽかぽか温かい家はとても素晴らしい。
でも、いくら高気密高断熱の家でもその室内の空気が汚れていては居心地はよくないですし、シックハウスに悩む可能性すらある。
そんな家に住んで本当に幸せになれるでしょうか??
私は無垢材や漆喰など自然素材・国産材をつかった「昔の普通」の家こそ人に優しく、価値ある家だと思います。
メンテナンスがしやすいからビニルクロス、汚れにくく反りにくいから複合フローリングといった新建材の数々。
こうした新建材は一見、建て主様のことを考えてのように聞こえますが、業者がラクして施工しメンテナンスをしに行かなくてよいから標準仕様として採用しているという場合が大半です。
厳しく言うと「建て主のため」ではなく、「自分たちのため」という業者の自分本位での家づくりが「今の普通」の家づくりなのです。
どうですか?「今の普通」の家と、「昔の普通」の家のどちらに住みたいでしょうか?
無垢材をつかった家は「木の香り」がする素敵な家です。
住んで何年たっても「木の香り」を楽しむことができ、また色の変化や傷も味わいとして経年変化を楽しめる家になります。
「今の普通」の家は、新築時が一番に新しくて魅力がありますが、無垢材や自然素材をつかった「昔の普通」の家は、年月の経過とともに魅力が増していきます。
これって、とっても素敵なことです。
みなさんにもぜひ住む人に優しい、住んでて楽しくなる「昔の普通」の家を建てていただきたいものです。
あなたは「最も腐れやすい木」で家を建てるんですか?
現代の多くの家の土台や柱で利用されているのは、ヨーロッパやオセアニアなど海外から輸入された「ホワイトウッド」という木です。
見た目も悪くなく、価格も安価なため重宝されていて、ホワイトウッドなくして日本の家は建たないのではないかというくらい多くの建築現場で目にします。
しかし、木材の専門家の多くが、このホワイトウッドの耐朽性や耐犠牲に疑問を持っていると言われています。
実際にNPO法人国産材が実施した樹種ごとの屋外暴露試験ではホワイトウッドの弱さが結果として出ているそうです。
その試験とは、4年半もの間、4種類の柱状の木を野ざらしにして屋外へおいていた場合に、4年半後にそれぞれの木はどのような状態になるのかという試験です。
4種類の内、ベイツガ、スギ、ヒノキは表面は傷んでいたが、柱の形状を保っていた。
一方残りの1種類の木は柱の形が崩れて朽ち果てていた、この木が「ホワイトウッド」だったのです。
「ホワイトウッド」は非常に腐りやすく、シロアリにも極めて弱い、つまり家の重要な構造材として利用するには重大な欠点があると言えるのではないでしょうか。
森林総合研究所が作成した樹種別の芯材の耐朽性区分では、ヒノキやスギの耐朽性が大あるいは中という区分であるのに対して、ホワイトウッドは「極小」ランクに位置付けされています。
つまり、ホワイトウッドは朽ちやすい、耐久性の低い木だということです。
もちろん薬剤処理などを施せばホワイトウッドは柱材として問題はないという専門家もいます。
しかし、水を吸いやすい木の切り口(=小口)に十分な薬剤処理がされておらず、いい加減な防腐処理が多い現実に目を向けると、壁内結露の防止すら難しいともいわれているのが現状です。
このような点を見ていくと、やはり木造住宅の重要な構造部にホワイトウッドを使うことは安価に家を建てることができるというメリット以上に、家の耐久性の問題点の方が大きく、ホワイトウッドの利用は差し控えるべきではないかと考えます。
あなたは「最も腐れやすい木」で本当に家を建てて、幸せになれるでしょうか?
今一度、よく考えて、家づくりを検討していただけたらと思います。
シロアリと高気密高断熱の家の落とし穴
現代の家は高気密高断熱の家という冬型の家づくりが主流です。
室内にいると快適で過ごしやすい家づくりだと言えます。
しかし一方でこの高気密高断熱な家にも落とし穴があります。
それがシロアリ被害です。
シロアリは暖かい地域に生息しており、家の床下などの湿度が高くてジメジメした空間が大好き。
またそういった湿気の多い箇所は木材も腐りやすいためシロアリの被害が多いのは昔から知られている事実かと思います。
シロアリは木造住宅の基本となる土台や柱などの木材や断熱材など食べ散らかす厄介者です。
このシロアリは、暖かくジメジメしたところが大好きなので、実は高気密高断熱の家はシロアリにとっては住みやすい環境なんです。
特に風通しの悪い床下や結露が発生する場所に多く発生し、建物の重要な部分をどんどん食べていきます。
本来シロアリの活動ピークは春頃と言われていましたが、近年の高気密高断熱住宅の“おかげ”で、常に暖かくてエサも豊富な状況が一年を通してあるので、シロアリも一年中活動しているとさえ言われています。
土台や柱へ被害、そして床下という普段ではあまり目にすることない環境でシロアリは増えていくため、早期に発見するのが難しいと言えます。
もちろん新築時にはシロアリ薬剤処理などは一般的におこなわれていますが、その薬剤の効果は長くて5年程度です。
5年ごとに高価なシロアリ駆除および薬剤塗布とおこなえば良いのですが、金銭面と、ついうっかり忘れで多くの方は新築時以降にシロアリ処理工事をおこなっていません。
このようにシロアリの住宅への悪影響は大変大きいにも関わらず、新築入居後の対策は十分には行われていないのが現状です。
いくら長期優良住宅や耐震等級の高い耐震住宅を建てても、家の骨格といえる土台や柱などの木構造の骨組みがシロアリ被害にあってしまっては意味がありません。
そこで重要なのが、「どんな構造材で家を建てるか」だと思います。
シロアリ薬剤処理を5年おきにおこなうことも良いですが現実的ではないので、代替案として考えられるのが「シロアリ被害を最小に食い止める木材をつかって家を建てる」ということです。
そして、その最適な木材として、国産材のヒノキやヒバがその代表格と言えます。
近年の多くの家では欧米やオセアニアなどからホワイトウッドという木が輸入されて、その木を土台や木材に利用して家を建てています。
これはいくら薬剤処理していたとしても、シロアリ被害の観点からは決して土台や柱など家の重要な箇所に使うべきではないと考えます。
高気密高断熱の家であることはとても重要です。
しかし、シロアリ被害から我が家を守る観点からも、高気密高断熱というキーワードだけにとらわれるのではなく、ぜひ構造材という目に見えなくなる部分にも目を向けた家づくりを意識し、そしてその構造材には国産材ヒノキを使って建てるべきだと私は考えます。
無数の傷は「家族の思い出」の証し
一般的な表面に薄いシートを張った複合フローリングなどでは新築時の状態が最も美しく、年々痛みや褪せてくる状態になっていく点が、複合フローリングの残念な点です。
そういう意味では国産材の無垢フローリングなどは全く逆だといえます。
というのも、無垢フローリングは無塗装の新築時がある意味一番“魅力的ではない”んです。
無垢フローリングは無塗装の状態から入居前までに最初のオイル塗装がおこなわれます。
この段階でまずはグッと深みが一段階アップします。
でも、このままでもまだまだ魅力は十分ではありません。
入居後1年・2年・3年・・・と年月を重ねるごとに、その味わいは深みへと変化していきます。
無垢のスギのフローリングなどだと、新築入居時は例えるならまるで“赤ちゃんのほっぺた”のような赤味です。
とても優しい赤味といった感じしょうか。
それがオイル塗装をおこない、1年・2年・3年と時間の経過とともに少し深みの濃い色へと変化していきます。
新築時と、入居後1年後の写真を見比べても、全く同じフローリングとは思えないほど色の変化が生じます。
これが無垢フローリングの醍醐味だといえます。
この深みの変化は最初の約1年間にもっとも現れます。
その後、日々の生活の中で足裏から出た脂成分や、歩くことで生じる自然な摩耗、定期的なメンテナンスを通して徐々にですが、落ち着きのある自然なツヤがでてきます。
この自然なツヤの生まれ、そして家族の手や足に馴染んでいく姿は、革製品を扱うのと同じ感覚といった感じでしょうか。
もちろん、無垢フローリングは傷がつきやすいものです。
特にスギやマツなどは柔らかい素材ゆえに傷は避けることができません。
しかし、表面0.3㎜ほどにシートを張っている複合フローリングだと、深い傷が生まれればシートの下にある集成材の端材がみえてきて、とても残念です。
一方、無垢フローリングは厚み方向に継手がなく一枚であるので、深い傷が生じても表目も芯部分も同じ素材であるので、サンドペーパーを掛けたり、濡れたティッシュなどで傷周辺を膨張させるなどの補修が大変容易です。
また、昔は子供の成長を証しを柱によく刻んでいたものです。
日々大きくなっていく我が子の成長をこの柱の傷で親は改めて認識し、また成長した子供自身も昔の自分を懐かしむ。
木に植え付けられた傷は単なる傷ではなく、「家族の思い出」ともなりえます。
そんな思いも持って木を家を楽しんでいただければ、きっと他では味わえない素敵なマイホームが叶うのではないでしょうか。
ぜひ、経変変化を楽しめる無垢フローリングの家を叶えていただきたいものです
“熱を奪われない”木の心地よさ
人間は“熱を奪われる”と、ストレスを感じ、また意欲が減退し、また疲れやすくなり、そして風邪をひいたりして健康被害も生じます。
たとえばコンクリートの床の上で立っていたら、ストレスを感じたり、疲れたりした経験はないでしょうか?
コンクリートの床、ビニールタイルの床、木の床の3つの床を用意して、人が建っている時間の経過と足裏の温度を計測したところ、最も温度低下が早かったのがコンクリートの床でした。
次にビニールタイルの床で、一番温度低下がしなかったのが木の床なんです。
これは熱伝導率によると考えられます。
熱伝導率とは、どれだけ熱をつたえやすいかというのを数値化したものです。
熱伝導率の数値が低いほど熱を伝えにくいということになります。
例えば、スギの熱伝導率は0.087 W/(m・k )で、コンクリートの熱伝導率は1.0W/(m・k )であり、スギはコンクリートの約12分の1しか熱を伝えません。
ですので、鉄でできたフライパンの取っ手は暑くて握ることはできませんが、熱を伝えにくい木の取っ手は握ることができます。
これは、まさに熱伝導率が影響しているからなんです。
木材の熱伝導率が低い理由は、木材とはパイプ状の細胞の集合体であり、この細胞の内側は、私たちの身近な物質の中で最も熱を伝えにくい空気で満たされているのです。
そして、この木の熱伝導率の低さは、暮らしを快適にしてくれます。
それは気温の低い冬場、無垢材の床に足裏が触れても肌から熱が奪われず、自分のぬくもりを実感できるという点からも木の熱伝導率の低さゆえの快適性を理解していただけるのではないでしょうか。
もちろんこの木の熱伝導率の低さのメリットは床材だけにとどまりません。
構造材でも同じことがいえます。
静岡大学農学部が静岡県木材協同組合連合会の研究委託を受けて、「コンクリート」「金属」「木」の3種類の巣箱を使い、ネズミ の 母子を飼育し、その行動を調査する実験を実施しました。
すると、母ネズミの行動に違いがみられ、木製巣箱の場合、ゆったりと授乳していたのに対して、コンクリート、金属製の巣箱では落ち着きがなく、授乳もすぐにやめてしまいました。
また子ネズミの生育率もコンクリート巣箱の生存率はわずか10%前後、金属製が40%程度、そして木製は85%と巣箱の材質によって大きく開きがでました。
このような差を及ぼした最も大きな要因は熱の奪われ方、つまり、物質の持つ熱伝導率が関係しているといえるでしょう。
この実験からいえることは、木造住宅で建てる木の家がいかに健康に良いかということです。
-子育てをする、家族と笑顔で暮らす、健康な日々を送る-
これら多くの方が望まれる暮らしを木の家は叶えてくれます。
その木の中でもやはり日本の気候風土で育った国産材の木で建てる家が一番、日本で暮らすのに最適であると言えるのではないでしょうか。
外国産の安価なホワイトウッド集成材などの木を使うのではなく、日本の気候風土に合った日本の木の家。
私たちは国産材で建てる“木の心地よさを感じれる”家が、健康で、快適で、楽しく、過ごせる家になると信じています。
ムシムシした湿気にさようなら!?
木の良さは温かみのあるインテリア性や、見た目の落ち着き感などデザイン面が注目されがちですが、木の魅力は機能面でも非常に優秀なんです。
そんな機能面の魅力の一つに、調湿性があります。
構造材だけではなく、フローリングだけでなく壁や天井など内装材に木をつかうその調湿性の魅力をみていきましょう。
「木は呼吸している」と、よく言います。
これは何も人間のように空気を吸ったり吐いたりしているわけではありません。
周囲の湿気や温度に応じて空気中の“水分”を吸ったり吐いたりしているのです。
これを“木は呼吸している”と言います。
いわゆるこれが調湿しているという意味です。
この木の調湿性についてですが、これは何も森で育っている木に限った話ではないんです。
つまり、私たちが普段目にする無垢フローリングや羽目板などの内装材と形を変えてもなお、この調湿機能は維持されるのです。
この無垢フローリングや羽目板などの内装材は、夏場の湿気が多い時には空気中の水分を木が吸い込み膨張し、逆に冬場などの湿気が少ない時には木に含まれる水分を放出して収縮するということをおこないながら、湿気を調湿してくれます。
たとえば8帖の部屋の天井板にスギやヒノキを使用すると、湿度の変化に合わせて1リットル以上の水(水蒸気)を吸い込んだり、はき出したりするんです。
まさに木をつかった家は「調湿性能抜群の呼吸する家」と呼べます。
梅雨のジメジメした空気も、冬の過乾燥による肌荒れや窓の結露も、無垢の木を使うことで、“さようなら”できますよね。
「内部結露」で腐りやすい木造住宅
木の家で建てる日本の木造住宅は、日本の気候風土に適した家づくりであり、耐久性の面からも優れていると言えます。
しかし、一方で最近の家づくりで気になるのは「高気密高断熱の家は腐りやすいのはないか」と、言われている点です。
ただし、この「高気密高断熱の家は腐りやすいのはないか」という議論は、正しくは「中途半端な断熱材や、集成材などの呼吸性が低い木材で建てた家は、建てた時は問題なくても、数年・数十年経過すると腐りやすい」という意味ではなかと解釈しています。
つまり、建てた時の住宅の性能数値も大事ですが、重要なことは建ててから数年・数十年と経った家が十分な断熱性や気密性を保てているのか、また健康的な住宅であるのかだと言えるのではないでしょうか。
そして、この問題の一番のキーワードが「内部結露」です。
結露といえば、家の内部と外部とで温度差や湿度差があると、窓に水滴がついている・・・っていうやつですね。
これは窓についた水滴でその結露の具合を把握することができます。
たとえば、冬場に加湿器をフル稼働させて、家族全員で一室で一晩寝た室内は湿度たっぷりで、こういう人工的な高湿度な空間をつくると、やはり樹脂サッシを使っていても結露は発生しやすいものです。
こういった目に見える結露は対策を取ることも可能です。
しかし、問題は目に見える結露ではなく、“目に見えない「内部結露」”です。
これは建物の壁の中で発生する結露です。
つまり目に見えないところで結露が発生し、目に見えないところで壁や柱などの木材に吸収されてしまいます。
そして、吸収された結露が原因で木は腐り、そして木造住宅の大敵の「腐朽菌」が増殖します。
この腐朽菌は、柱や土台などをどんどん腐らせていきます。
このことは長い目で見ると家の耐久性の低下に大きく関わります。
いくら制振ダンパーや長期優良住宅など数字上の上で優れた家であっても、「建てた後の家」が、腐朽菌の被害により家の耐久性が落ちてしまうと、全く意味をなしません。
そして内部結露の発生は、柱や土台などの木構造を腐らせるだけでなく、結露が建物内に溜まることで、結果として「結露に包まれた家」にもなってしまいます。
このような結露に包まれた家では健康的な暮らしができるとは言えません。
構造材などの木部や断熱材は家が完成してからでは目にすることはできません。
しかし、内部結露から家を家族を長く安心して守っていくためにも、中途半端な構造材や断熱材を使用するのはなく、良質な木材・断熱材を含めた断熱計画を立てた家を叶えていただきたいものです。
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