知っておくべき土地購入時の流れと注意点
注文住宅を検討している方の多くが、土地探しからはじめられているかと思います。
土地の購入を経験することは、そう人生で多くなく不慣れなものです。
また、土地の購入は非常に高額であり、専門性も高いことから、購入するにあたり不安や疑問も多くあるかと思います。
そこで、まずは土地の購入時の基本的な流れと、契約書類の中で注意すべき点の「基本」をまずは身についけるようにしておきましょう。
この「基本」を知っておくことで、土地探しを依頼する不動産屋の営業担当者ともスムーズに話しを進めることができるでしょう。
契約書類には、大きく二種類がある
土地を探していて気に入った土地が見つかると、いよいよ契約の手続きとなります。
そして、土地などの不動産購入の際には、契約に関する書類が大きく2種類あります。
それが「売買契約書」と「重要事項説明書」です。
この2種類の書類の記載内容は重なる部分も多くありますが、とても重要な書類です。
「売買契約書」は、名前の通り、「売主」と「買主」の双方が、署名押印して、契約を交わすための書類です。
「契約書」と書いているので、なんとなく意味はわかるのではないでしょうか。
一方の「重要事項説明書」という書類ですが、「売買契約書」との大きな違いは、この「重要事項説明書」は「買主」のために作成される書類です。
つまり「買主のために必要な書類」といえます。
この「重要事項説明書」に記載事項がなぜ買主にとって重要なのかというと、
「買主がこの土地を購入するのかしないのかを判断をするための重要な情報が記載されているから」
だといえます。
この「売買契約書」と「重要事項説明書」は土地売買において必須の契約書類であり、特に「重要事項説明書」は、特に重要だと言えます。
重要事項説明書を理解する
土地売買の契約書類の中で、重要な書類の「重要事項説明書」。
重要事項説明書で説明される項目は、取引態様や登記に関する事項、法令に関する制限、飲用水や電気・ガスなどのインフラ状況など多岐にわたります。
それらの内容は「契約前」に、宅地建物取引士という国家資格を持った者から説明を受けなければなりません。
取引士からの説明に対して疑問点があれば「契約書への署名押印の前」におこなうようにしましょう。
なぜなら「重要事項説明書」は「買主がこの土地を購入するのかしないのかを判断をするための重要な情報が記載されているから」です。
もし納得いかない、又は不安点があるようであれば、解決するまでは「契約書への署名押印は控えるべきです」。
可能であれば、契約より数日前にでも「重要事項説明を受けておく」ことは、よりスムーズな取引のためには有効です。
重要事項説明書の記載事項について
重要事項説明書には下記の項目が記載されています。
なんとなくだけでも頭の片隅に入れておき、気になる点は十分に説明を受けるようにしましょう。
記載内容は大きく分けて3項目に分けられます。
1.表示に関する事項
宅建業者の概要や取引態様に関する事項が記載されます。
2.取引物件に関する事項
登記状況や法令、インフラ設備状況などが記載されます。
3.取引条件に関する事項
損害賠償や違約金、契約の解除に関する事項が記載されます。
表示に関する事項
仲介をする宅建業者の概要 |
商号、代表者氏名、主たる事務所、免許番号、免許年月日 |
説明をする宅地建物取引士 |
氏名、登録番号、業務に従事する事務所 |
取引の態様 |
売買等の態様、当事者・代理・媒介の区分 |
取引対象物件の表示 |
土地(所在地、登記上の地目、面積) 建物(所在地、家屋番号、種類および構造、床面積) 売主の住所・氏名 |
取引物件に関する事項
登記に記載された事項 |
所有権に関する事項(土地・建物の名義人と住所) 所有権にかかる権利に関する事項(土地・建物) 所有権以外の権利に関する事項(土地・建物) |
法令に関する制限の概要 |
都市計画法(区域の区分、制限の概要) 建築基準法(用途地域、地区、街区など、建ぺい率の制限、容積率の制限、敷地と道路との関係) それ以外の法令に基づく制限(法令名、制限の概要) |
私道の負担に関する事項 |
負担の有無、負担の内容(面積、負担金額など) |
水害ハザードマップ |
水害ハザードマップの有無 水害ハザードマップにおける宅地の所在地 |
飲用水・電気・ガスの整備状況 |
直ちに利用可能な施設か、施設整備予定はあるか、施設整備に関する特別な負担はあるか 飲用水の場合は、公営・私営・井戸の区別 ガスは都市ガス・プロパンガスの区分 |
宅地造成または建物建築の工事完了時における形状・構造等 | 未完成物件の場合 |
取引条件に関する事項
代金交換差金及び地代に関する事項 | 売買代金、交換差金、地代 |
代金及び交換差金以外に授受される金額 | 金額、授受の目的 |
契約の解除に関する事項 | 手付解除、引き渡し前の滅失、毀損の場合の解除、契約違反により解除、ローン特約による解除 |
損害賠償の予定または違約金に関する事項 |
売買契約において損害賠償額や違約金に関する定めをする場合に、その額および内容を記載 |
手付金ほ保全の概要 | 宅建業者が自ら売主となる宅地、建物の売買において、一定の額または割合を超える手付金等を受領する場合に義務付けられている保存措置を説明する項目で、保存の方式、保全をおこなう機関を記載 |
支払金又は預り金の保全措置の概要 | 宅建業者が支払金、預り金等を受領する場合には、その金銭について保存措置をおこなうかどうか、行う場合にはその措置の概要を記載 |
金銭の貸借に関する事項 | 宅建業者による金銭の貸借の斡旋の有無、斡旋がある場合にはその内容(取扱金融機関、融資額、融資期間、利率、返済方法、保証料、ローン事務手数料、その他)、金銭の貸借が成立しない時の措置について記載 |
割賦販売に係る事項 | 宅建業者が割賦販売をする場合、現金販売価格、割賦販売価格およびそのうち引き渡しまでに支払う金銭と割賦金の額を記載 |
契約不適合責任に関する保証保険契約等の措置 | 措置を講じるか否か、講じる場合には措置の概要 |
売買契約後は登記が必要
所有者を明確にするための登記
土地を購入する際に、土地の売買契約が完了して代金を支払えばそれで終了かというと、そうではありません。
土地の売買が終了すると、大事な手続きがあります。
それが「登記手続き」です。
登記とは、買主の土地所有権を保全するためにおこないます。
仕組みはこうです。
A(土地の売主)とB(土地の買主)の土地売買は、売買契約を交わすことだけで契約は有効です。
登記をする必要は「必ずしも必要ではありません。」
ただし、B(土地の買主)は登記をしなければ、第三者へその土地を取得したことを主張することはできないです。
つまり、登記をすることではじめて第三者に対して「この土地は、私Bのものです」と、主張できるのです。
このように登記はとても重要な手続きであるため、土地残金を支払い売買契約が完了すると、遅滞なく法務局へ登記手続きする必要があります。
とても複雑な確認事項があり、手続きがあるですが、心配はいりません。
この登記は一般的には、登記のプロである司法書士へ依頼します。
司法書士は登記手続きに必要な売主からの書類などを確認して、問題ないと司法書士が判断してはじめて、買主から売主へ土地の残金を支払う手続きに入ります。
どのような書類が必要なのか、書類に不備がないのか等は、司法書士でなければ、なかなかわからない専門的な書類ばかりです。
取引の安全性を確保するためにも、自分でおこなおうとはせず、専門家である司法書士へ登記手続きは依頼しましょう。
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