パッシブデザインを活かした省エネ住宅を建てる
省エネ住宅と言えば、
「太陽光発電システム」
「蓄熱電池」
「エネファーム」
「節水トイレ」
「エコジョーズが鵜給湯器」
など、最新の「設備機器」を思い浮かべる方も多いかと思います。
もちろん、これらの「設備機器」はとても重要です。
ZEHなどを検討する場合には、これらの最新の「設備機器」は必ずと言っていいほど、採用されます。
近年では、建て主様の関心も非常に高いトピックといえます。
しかし、これらの「設備機器」は、数十万円から数百万円にもおよぶ高額です。
特に土地から購入する方、子育て世代で子育てにもお金がかかり、なかなかマイホームの多くの予算を掛けられないという方も多いと思います。
すべての方が簡単に手が出せるという金額ではないのです。
そんな方へオススメしたい省エネ住宅が
「パッシブデザインを活かした省エネ住宅」
です。
「パッシブデザイン」とは、
「設備機器に頼らない、太陽光エネルギーの熱や光、風などの自然の理を活かす省エネ」
と想像していただければイメージしやすいです。
「窓から自然の風を取り込む」
「植樹により日射や通風を考慮する」
などが、パッシブデザインの代表です。
太陽光発電システムやエネファームなどの最新の機械による「設備機器」に頼らないという考え方ですね。
太陽エネルギーを利用する
太陽熱を窓から取り入れたら、その熱を室内に蓄積することは、パッシブデザインの省エネとして代表的な方法です。
太陽熱を取り入れる
まずは日射熱を効率よく得るためには、真南から東西30度以内の角度で窓を配置するのが最良と呼ばれています。
もちろん、真東や真西なども十分に日射を取り込むには良いので、道路方角や隣地との空き状況を確認して、太陽熱を取り入れる窓を積極的に配置しましょう。
太陽の角度が高い夏は、庇で日射を遮り室内が暑くなり過ぎないようにしましょう。
反対に、太陽の角度の低い冬場は、部屋の奥まで日射が届くようにする。
そして、冬は昼間に熱をたくさん吸収し、夜冷えてきたら蓄えた熱を放出して、室温の低下を防ぐことで、省エネとなります。
太陽熱を蓄熱する
また、その取り入れた太陽熱を室内に蓄えることも重要です。
床、壁、天井には熱を貯め込むのに優れた素材を採用しましょう。
タイルやコンクリート、土などは有効ですが、一戸建ての室内になかなか採用しづらい素材かと思います。
その場合は、呼吸性の高い「無垢材」が有効です。
床には無垢フローリングを採用し、壁や天井の一部には羽目板パネルとして無垢材を使うのもいいでしょう。
自然風を取り入れる
自然の風を取り入れて夏の蒸し暑い時期はもちろん、春や秋など、うまく風が向けるようにすることで、冷房設備エネルギーを削減し、パッシブデザインの省エネ住宅を目指しましょう。
風は自然の摂理で、下から上へ抜けていきます。
ですので、部屋の低い位置に窓を設けることで、そこから外気を取り入れて室内の空気を冷やすことが可能に。
そして、低い位置から入ってきた空気は、より高い位置の窓から風は抜けていき、これが通風性のアップにつながります。
また、夏の風が少ない時期でも、暑い室内の空気を室内の高い位置に設けた窓から排出することで、室内を快適にすることができます。
ただし、高い場所に設置する高所窓は開閉が大変ですよね。
吹き抜けや室内の高い位置に設置する窓をハイサッシと言い、こういったハイサッシの開閉には電動式がオススメ。
高所だと開閉作業もなかなか大変なので、電動式でリモコン操作ができるようにしておくと、日々の窓の開閉もストレスなくおこなうことができます。
窓の配置を計画的にすることで、風の流れをコントロールし、室内の通風性能を向上させて、自然の力を利用した省エネ住宅を叶えることができます。
樹木の効果を利用する
樹木によるパッシブデザインは、特に夏場に有効です。
樹木が建ち並ぶことで影が出来て建物内部の温度上昇を防ぐことができます。
また、葉っぱの蒸散効果により周囲の温度を下げる効果も期待できるのです。
植物をうまく配置することでグリーンカーテンを作ることも、同様の効果が得られます。
たとえば、南側に大きな窓がある場合では、落葉樹を植えるのがオススメ。
夏は日射遮蔽と蒸散の効果があり、室内の温度上昇を和らげる効果が。
冬は葉っぱが落葉するので、日射を建物の奥まで取り入れて、室内を暖かくすることに役立ちます。
一方、北側には常緑樹がオススメ。
夏は木陰をつくって地面を冷やしてくれ、建物周囲から温度上昇を和らげます。
また、冬場は寒い北風が通るのを遮ることができるのです。
このように樹木を利用することでも、パッシブデザインの省エネ住宅を建てることはできるのです。
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