注文住宅では寸法の具体的な確認は重要
建売住宅のように目の前に建物が実際に建っていると、
「これだけのサイズなら自分の車はこの駐車場に入るな」
「これだけスペースがあれば自分の持っている本棚が入るな」
など、具体的にインテリアや家具、自家用車など納まりについて確認することができますが、建物が目の前にないとなかなか難しい話しとなります。
注文住宅はまさに目の前に実物が無い状態で打ち合わせをしていかなければいけません。
そこで重要なのが、「寸法への認識」です。
例えば、こんな話しがよくあります。
「建て替えをしたいのだが、要望としては3LDKに、駐車場が1台・・・・」
駐車場が一台と聞いて、人によっていろんな考え方ができます。
「駐車場1台=普通車5ナンバーが1台分」は停められるサイズという場合もあれば、、、
「軽自動車に現在乗られているから、軽自動車が1台停められればいいサイズ」という場合もあるでしょう。
人によって、また現在乗っている車、土地の状況など、みなが頭の中だけで「抽象的な基準」をつくってしまうと、家が完成してから失敗なんてことも。。。
「今は軽自動車に乗っているが、次は普通車に乗り換えようと思っていたのに、これでは乗り返したら車を駐車できない」という意見もでれば、
「軽自動車を乗っている状況、土地が狭小地で、でも間取りはできるだけ大きくしたいという打ち合わせ中の話しの流れからして、この駐車場サイズがベスト」という意見も出てくるかもしれませんね。
このようにみんなが頭の中だけで勝手に「自分基準」をつくり、打ち合わせを進めていくと、注文住宅は失敗してしまいます。
大事なことは「寸法の具体的な確認」です。
寸法の具体的な確認と言っても、簡単なことです。
「駐車場は奥行が有効で5mあって、幅が2.7mあります」と具体的な寸法を出して確認しあうことです。
ここで重要なことが2点。
1つは、建築の場合は、図面上の寸法=実際に完成した時の寸法ではありません。
ですので、必ず「完成時の有効寸法」を確認することが重要です。
図面上で「駐車場の奥行きが5m」と書いてあれば、実際は4.9mという場合があります。
広々としていて、たかが10センチくらい気にしないという状況ならいいかもしれませんが、その10センチの違いで大きく計画が変わるかもということだってあるでしょう。
ですので、注文住宅の場合は、必ず気になる箇所は特に「有効寸法」を確認することが重要です。
もう一つ重要なことが、「目で見て確認し、体感すること」です。
有効の数字を確認したら、実際に目で見て、体感して確認してみましょう。
駐車場であれば、今のお住まいの駐車場と比較して見ると一番わかりやすいかもしれません。
「いまの駐車場より、今度は10センチほど幅が広くなるんだな、これならOK」
「いまより奥行きが10センチ短くなるみたいだけど、それくらいなら問題ないな」
など、目で見たり、体感をすることが重要です。
寸法の具体的な確認は多くの場合、身近なもので体感できます。
それは「今の住まいと比べること」です。
先ほどの駐車場でもそうですし、キッチンの立ち位置の広さ、収納の幅や棚の取り付け高さなど・・・
今の住まいを基準に
「今の駐車場に、自転車1台分置ける駐車場にしたい」
「今の収納は幅が狭いから、今より30cm以上は広くしたい」
など、まずは身近の不便や不満点を「寸法」という観点から見ていき、注文住宅ではぜひこうしたいなどの要望をまとめていくことが第一ステップ。
そして、第二ステップでは、具体的なプラン計画を元に、有効寸法の確認、そしてその寸法を目で見て体感することが、注文住宅では重要です。