建物の「配置計画」は間取りと並ぶくらいに重要
注文住宅で家を建てるという場合、みなさん何にこだわるでしょうか!?
キッチンやユニットバスなどの住宅設備機器という方もおられれば、フローリングや造作などの内装にこだわる方もおられるかもしれませんね。
基礎や構造・断熱性や省エネ性のなどの建物の基本性能を重視する方もおられるでしょう。
ただ共通してこだわるポイントとしては、“間取りの作成”という声がやはり一番多いのではないでしょうか。
「北側に水周りを持っていって、道路面の南面にリビングをもってこよう」
「リビングと水周りがぐるぐる廻れる回遊式の動線をつくりたい」
など、想像すればするだけ、いろんなアイデアが出てくるのが“間取り作成”です。
また、インターネットや雑誌でも参考になる間取りやプランニングのアイデアなども公開されていて、“間取り作成”に一生懸命になるのは当然だと思います。
しかし、ここで重要なのは、間取り作成と共に、敷地のどの場所に建物を配置するのかという「配置計画」も大変重要だということです。
この建物の配置をあまり真剣に考えてなかったという方は以外に多いかもしれません。
でも、この建物の配置一つで大きく暮らしやすさや快適性が変わります。
たとえばこんな事例が考えられます。
・隣地境界との距離が広ければキッチンの勝手口が開き扉にすることができるが、隣地境界との距離が狭いと片引き戸しか納まらない。
・日差しの強くない落ち着いたリビングライフに憧れていたのに、南側に広々した空間を取ったためにリビングの陽当たりが強すぎて、日射遮蔽を考慮しなければいけなくなった。
・数十センチの違いで、駐車場の乗り降りスペースが狭く、スライドドアが活用できずに、子供の乗り降りが不便。
というように、建物の配置は、家を建てる最初の段階である建築確認申請にも影響し、また配置(隣地境界線や道路境界線と建物の距離など)については検査の対象となりますので、あとから「やっぱりクロスの品番を今から変えたい」みたいな簡単な話しで変更することはできません。
ですので、建物の配置については、“間取りの作成とセットで考えるべきです”
これは上記でも書いたように建物の配置計画は、間取りと共に建築確認申請時には既に決定していなければならないからです。
「建築確認がおりてきて、いざ建物の基礎工事をするという段階で好きな場所に配置できる」というわけではないということです。
意外にこう考えておられる方も多いかもしれませんが、建物の配置計画は工事着工時には既に決まっているという点を知っておくことが重要です。
このように配置の計画は重要ですので、実際の生活を想像し、あるいは立体的に考える必要があります。
建物の配置計画で特に注意すべき箇所としては、駐車場スペース、お庭のスペース、お隣さんとの建物の距離の3項目は特に気にされる方も多い箇所です。
たとえば、駐車場スペースを考える場合は
・今の車のサイズはもちろん、将来の乗り換え時により大きな車を乗る可能性があるのか
・車の屋根であるカーポートを設置するのかしないのかで、駐車場の必要な横幅も大きく異なる
(カーポートの柱は意外に大きく圧迫感があるので、その分は余裕をもった間口の広い駐車スペースの確保がオススメ)
・駐車場の出入り口付近に電柱が有ることで、平均的な駐車スペース以上の間口寸法が必要になる場合もある
など、考えるといろいろと出てくるものです。
家を建てる際にはついつい間取り作成ばかりに目を取られがちですが、建物の配置についても常に“並行”して検討していくことがより良い住まいへの第一歩となります。