家を建てる地盤を知る
これから注文住宅で家を建てようと考えた時に、真っ先に出てくるのは、間取りや、キッチン、浴室、フロア材などの建物のことだと思います。
打ち合わせもたのしいですし、自分達の自由が利くので、じっくりと考えていたくなることかと思います。
しかし、その前に建物を建てる土地についても知っておく必要があります。
弱い地盤の上に建物を建てると、建物は傾くなんてことも起きる可能性だってあるんです。
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軟弱地盤から不同沈下が起きる
不同沈下とは、一つの土地の中に硬くて安定感がある地盤と、弱く不安定な地盤が混在していて、その軟弱地盤の影響で、建物が傾く現象のことです。
建物が傾くといろんな不具合が生じます。
・窓サッシや室内建具が閉まりにくくなる
・給排水配管のズレが生じたり、破損による漏水の可能性
・建物のズレに合わせて外壁のズレが生じ、クラックの発生やコーキングの切れによる浸水
そして、何よりその家に住む人の平衡感覚に支障をきたし、体調不良なども十分に考えられます。
ビー玉を転がして家の傾きを調べるなんてありますが、コロコロ転がるのは、相当な傾きが生じています。
正常な暮らしをしているかただと、傾いた建物の中に入った瞬間で、なんとも言えない体調不良を生じます。
ただ、怖いのが慣れてしまうとこの家の傾きに気付かないことです。
どんな土地に軟弱地盤は多いの?
土地の全てが悪いというわけではありません。
もちろん、ご近所さんが地盤工事しなかったから、我が家も地盤は強いだろうし地盤工事は不要かといわれたらそうでもありません。
同じ地区に住んでいても、地盤の強いエリア、弱いエリアがあります。
特に山を切り開いた造成区画だと、切り土(山を切った箇所)に経っている建物は強いですが、盛り土(山土を持って造成された区画)だと、一般的に弱い場合が多いです。
盛り土の場合は、安定するまで土が元の位置に戻ろうと変形を起こすので、住宅を建てる場合は多くの場合、地盤工事が必要となります。
これは正直、見た目ではわかりませんので、地盤調査などでしっかり確認する必要があります。
また、田んぼだったところや、沼だったところは、やはり軟弱地盤が多いです。
さらに造成レベルが悪い土地だと、田んぼや沼だった頃のなごりか、湿気やバクテリアなども上がってきて、建物の基礎が緑色に染まっている基礎なんかもよく目にします。
こんな箇所だと、なんだか住む気になれませんが・・・
擁壁・間知石のある土地は要注意
よく土地が道路より上がっていて数段の階段を上って家に入る、または敷地の裏手が数メートル下がっているという土地があります。
この高低差を埋めるために擁壁や間知石が積んだ土地があります。
ただし、このような土地に建物を建てる場合は要注意です。
この擁壁や間知石などには絶えず土圧がかかっています。
つまり、この土圧によって土地が崩れ落ちる可能性を秘めています。
先日も、擁壁が崩れ落ちてなんとか家が杭だけで持ちこたえているというニュースがありました。
擁壁や間知石のある土地は十分に、土地購入時に検討が必要です。
現場チェッポイントとして、擁壁の場合は、水抜きがあるのか、またクラックが発生していないのかは大変重要です。
擁壁の建築確認が下りているのかを役所等で調査することもできますが、古い擁壁の場合は、たとえ建築確認を取って施工された場合でも、やり替え工事は考慮すべきです。
また、水抜きがありクラックが無かったとしても、数十年も使う続けている擁壁だと危険な場合もあります。
また高さが1~2mほどの場合と、4~5mある擁壁の場合だと、全く強度へ見方も変わってきます。
間知石の場合は、基本的に強度はほぼ見込めませんので、家を建てる場合には擁壁工事へのやり替えは、考慮する必要があります。
地盤調査で土地の強度を知る
家を建てる際には、どちらにしても地盤調査は必要になります。
住宅を建てる場合には一般的に、スウェーデン式サウンディング試験という方法でおこないます。
現地にて機械で現場の4~5ポイントほどを調査します。
同じ土地の中でも、全体的に強度が同じような結果が出る場合もありますし、土地の一部分のみ強度が弱いという場合もあります。
不同沈下を防ぐためにも、弱い地盤の場合は、地盤工事を適正におこなうことが必要となります。
土地から購入して注文住宅で家を建てる場合であれば、土地購入前に売主に承諾を得て、地盤調査をおこない、地盤工事の有無を調べることも可能です。
但し、土地に建物が建っていない更地という条件になります。
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