注文住宅では「つなぎ融資」を検討
土地を購入して注文住宅で家を建てる際に、やはり気になるのは「資金計画」ではないでしょうか。
特に住宅ローンというのは、人生でそう何度も経験したという方は少なく、多くの方がはじめての経験になるかと思います。
そこで、土地を購入し注文住宅で家を建てる際に、資金計画で出てくる重要なキーワードの「つなぎ融資」についてご説明します。
工事代金は複数回に分けて支払う
さて、この「つなぎ融資」の話しをする前に、一般的な工事代金の支払い方法についてご説明します。
土地の購入が決まり、建物の予算も出たところで、現金払いでなければ多くの方が住宅ローンを組むことになります。
住宅ローンというのは名前の通り「住宅を買うためのローン」ですので、土地代金と建物代金を合わせた金額を借入します。
もちろん自己資金があれば諸費用意外にも、この土地代金や建物代金の一部に充当されるかと思います。
住宅ローンの審査が無事に通ると、実際にお金の融資を受けるわけですが、住宅ローンの内でまず融資金額のうち「土地代金」が融資されます。
そこでまずは土地代金を土地売主に支払い、土地を購入することになります。
この段階で土地の名義は購入者のものとなります。
それから建物の建築確認許可を受けたり、打ち合わせをして、準備が整えば、建物の工事の着工となります。
ここで一般的なハウスメーカー・工務店での話しとなりますが、工事代金は「複数回」に分けて支払うことになります。
主に3回から4回に分けて支払うというのが一般的です。
目安としては、工事の着工時、上棟時、完成時の3回、またはこれに1回をプラスした4回といったところです。
内訳としては、工事着工時と上棟時でおおよそ60%~80%を支払うということになります。
建物代金が2000万円であれば、上棟時までに1200万円~1600万円を支払うということになります。
完成時に残りの40%~20%といった感じです。
銀行は建物代金は完成時の1回払いのみ
さて、ここまでの工事代金の支払いの流れはなんとなく想像つくかと思います。
但し、この工事代金の分割での支払いというのは「ハウスメーカー・工務店側」の希望ということになります。
では工事代金の支払いについて住宅ローンを融資する「銀行側」の言い分はというと、
「原則、建物の完成時に建物代金の全額を融資する」という立場です。
一部、ハウスメーカーや工務店側の要望である工事の進行状況に合わせた分割での融資もおこなう金融機関がありますが、少ないと言えます。
多くの金融機関では上記に記載の通り「原則、建物の完成時に建物代金の全額を融資する」という考え方です。
さてここで、工事代金を受け取るハウスメーカー・工務店と、お金を融資する銀行側では、工事代金の支払いについて隔たりがあります。
ハウスメーカーや工務店サイドとして、銀行側が言っている「原則、建物の完成時に建物代金の全額を融資する」ということでは、工事期間の4~6ヶ月間に工事代金が一円も入ってこない状態になり、これでは困ります。
そこで銀行側がとってくれる対応策が「つなぎ融資」ということになります。
つなぎ融資で分割支払いが可能に
では、このハウスメーカー・工務店側の要望と、銀行側の立場の隔たりを埋めてくれる「つなぎ融資」とは、どういう制度なのでしょうか?
まず基本的な考え方として、「つなぎ融資」をおこなっても「原則、建物の完成時に建物代金の全額を融資する」という立場は変わりません。
では、どういうことか??
「つなぎ融資」とは、注文住宅を建てる時に必要な着工金や中間金などを一時的に用立てるローンのこと。
つまり、借りたお金はあくまで「つなぎ」なので、住宅が完成して住宅ローンが実行されたらそのお金でつなぎ融資を返済する仕組みということです。
本来の「住宅ローン」とは別にもう一つ、「家を建てている期間だけ借りるローン」と思っていただければイメージしやすいかと思います。
この「つなぎ融資」を利用することで、ハウスメーカー・工務店に工事代金を分割で支払うことが可能となります。
つなぎ融資に必要なこと
つなぎ融資は、住宅ローンを申込みした銀行かノンバンクなどで受付しています。
つなぎ融資では利息と手数料、印紙代などがかかります。
場合によっては万が一のためにと保険代が必要な場合もあります。
利息は住宅ローンと比べると一般的に高く、3%前後からそれ以上の場合もあります。
つなぎ融資の手数料は10万円くらいで、収入印紙代が別途必要となります。
工事着工時からつなぎ融資を受ける必要があるのか、上棟時からつなぎ融資を受ければ済むのかは、自己資金にもよります。
火災保険や登記費用、引越し代や家電家具購入費の他、注文住宅の打ち合わせ段階でもオプション工事などが発生することも考慮しつつ、工事着工金などの工事代金の一部も自己資金で支払いが可能であれば支払うことがオススメです。
もちろん、無理な資金計画はあとから自分自身が大変になるので、ハウスメーカーや工務店と相談しながら、住宅ローンの申請先を決めていくのが良いでしょう。