ダイニング・キッチンをリビングの一角ととらえる
居心地空間の拡大にダイニング・キッチンを活用
家づくりでLDKを計画する場合に、L=リビングの役割は非常に重要かと思います。
リビングは家族の居場所であり、くつろぐ空間であり、家族との距離感を決める場所です。
ただし、近年の家づくりではリビングとダイニング・キッチンの大きな境目はなくなってきているように思われます。
従来の考え方では、ダイニング=家族の食事の場所であり、来客からは少し隠れた場所に設けるというのが一般的でした。
また、キッチンは食事をつくる作業スペースという独立した小空間でした。
ところが、近年では、LDKは一体の設計であり、実際に、キッチンは食事をつくるだけではなく、家族と一緒に料理をしながらコミュニケーションを取る場所へと変化しています。
また、ダイニングも単なる食事をするだけのスペースではなく、食後の団欒のスペースの一部となっています。
とくにLDKがつながりある空間ですので、リビングにいながら、キッチンやダイニングにいる家族と遠い距離感を感じず、身近な距離感でコミュニケーションがとれるようになってきました。
これまでのようにどこが料理をつくり、どこで食事をし、どこでくつろぐのかという境目がなくなってきている現代の住宅では、LDKの言葉の意味は変化しているように感じます。
ここからここがキッチン、ここからあそこまでがリビング・・・という考えはもはや無くなり、LDK=家族全員のスペースという感じではないでしょうか。
家族とのコミュニケーションを重視する近年の家族では、このLDK=【家族室】という考え方がもっとも適しているのではないでしょうか。