1,000万円で建て替えができるか?
たまに頂戴するご質問にこんなご質問があります。
「1,000万円で建て替えができますか?」
なぜこのような質問がでてくるのか!?
答えは・・・・やはり
「坪単価○万円」
「30坪○百万円」
という、強烈なキャッチフレーズの広告に引かれてのことが多いようです。
たしかに書いている事だけを信じて電卓をたたいてみると、確かに1,000万円で家は建つのではとお思いになると思います。
本当に1,000万円で家が建つなら理想ですし、どの住宅メーカー・工務店だって、良い家を安く建てたいと日々思っています。
でも、正直言って、1,000万円で家を建てるのは無理です。
最近では家づくりをされる方も事前に勉強をされているので、
「坪単価○万円」
「30坪○百万円」
なんて広告は、もう騙されない!という方も多いかと思いますが、やはり一部では本当は1,000万円あれば家は建てられるのではないか!?と、信じている方もおられます。
家を建てるためには、材料費と、施工費が必要です。
多少、大量仕入れをすることで材料費を下げることは可能でしょう。
しかし、大量仕入れだからといって材料費の値下げには限界があります。
モノには当然に製造コストや運送コストなど最低限のコストはかかっているからです。
また、施工費も同じことが言えます。
職人さんにどんどん仕事を出せることを条件に多少は施工費を下げてもらうことは可能でしょう。
しかし、職人さんもプロとして最低限の収入は必要なわけです。
生きていくために食費や住居費など最低限の費用は決まっているわけで、いくら仕事が次から次へとあったとしても、施工費を下げるにも限界があります。
ということは、建物のコストというのも下げるにも限界があります。
また、ローコストを売りにしている会社に限って、大きな展示場を用意したり、大量の広告やCMをおこなったり、来場記念品を用意しており、これら営業経費は決して安いものではありません。
その高い営業経費は全て、お客様の建物価格に反映されるのですから、やはり建物を安く建てるにも限界があります。
それから考えると材料費や施工費をトータルで考えれば、30坪の建物が1,000万円で建てられるというのは無理だといえます。
逆に本当に1,000万円で建てている住宅メーカー・工務店があるとすれば、どんな材料を使っているのか、どんな人が建てているのか、考えるだけでも末恐ろしい気がします。
営業経費などの無駄なコストをかけた家を建てる必要はもちろんありません。
しかし、家にも適正価格というものがあります。
その適正を欠いた商品=家を建てることは、住む人に本当に良いのか????
冷静に考えていただくことで、正しい答えは導き出せると思います。
建物本体以外の付帯工事や諸費用を含めて1,000万円で家を建て替えるというのは現実的には無理ですが、適正な価格で家を建て替えすることは、モノの価値を正しく認識すれば家づくりで失敗することはないでしょう。