薪ストーブに適した木について
注文住宅で最近注目を集めているのが、薪ストーブです。
部屋を暖房するだけではなく、炎の揺れを見ているだけで癒され、そして家族の憩いの場の雰囲気もグッとあがる薪ストーブ。
その薪ストーブに欠かせないのが「木」です。
薪ストーブを焚く上で、「燃料」「酸素」「熱」の3つの要素が必要ですが、その「燃料」である木もなんでもOKというわけではありません。
まず薪を準備する上で基本的に知っておくべきことに「よく乾燥した木」を使うということです。
薪ストーブにより使用できる薪の長さは異なりますが、40cmや50cmのものが多いです。
乾燥した薪とは、18ヶ月以上かけて乾燥させた含水率15%以下のものを言います。
焚きつけ用の細い薪から、少し太い薪、本燃焼用の太い薪までいくつか揃えておくと使い勝手がよいです。
また、薪置き場は日当たりと風通しがよく、雨にかからない場所が適しているでしょう。
さて、では薪に適した木とは具体的に何なのか。
それは用途によって木を選ぶようにしましょう。
まずは、火つきが良い木として、杉や桧などの針葉樹があります。
乾燥していれば簡単に火がつきます。
しかし、早く燃え尽きるので火持ちが短く、油分を多く含んでいるので、燃やし方を誤ると高い温度で燃焼してしまいます。そのため、本体や煙突を傷める原因となることがあるので、注意が必要です。
一方、火持ちが良い木としては、ナラやクヌギなどの落葉広葉樹です。
木が堅くて油分が少ないので、火がつきにくいですが、針葉樹に比べて低い温度でゆっくりと長時間燃えるので、薪ストーブの燃料としても最適です。
ちなみに、乾燥した木を薪として使いましょうといいましたが、湿った薪を燃やすとどうなるのか。
薪が湿っていると、表面は乾いているように見えても燃やしてみると薪の端から水分が泡のように出てきたり、シューっと音がすることがあります。
また薪の火力が出ずに、薪ストーブの出力が落ちてしまいます。
点火が難しく、燃えも悪いうえに、燻った状態になります。
さらに、煙突の中やドアガラスにタール(クレオソート)などが付着してしまいます。
湿った薪を焚くことは、煙道火災の原因にもなりますので非常に危険です。
これから家づくりに取り組み、憧れの薪ストーブを実現したいという方は、ぜひ薪の基本から勉強し、トラブルが起きないように注意しましょう。