今の暮らしを振り返ろう
新しい家のテーマを明確にする作業と並行して、家族の今の暮らしを振り返っておきましょう。
具体的な暮らしのイメージがないままで家づくりに進んでしまうと、暮らしの実態に合わない暮らしになってしまうおそれがあるからです。
「とにかく住宅展示場へ行こう」というのが、一番キケン。
具体的な暮らしのイメージがないままで住宅選びをすると、「見た目」や「憧れ」に引きづられてしまい、本来手にしたいと思っていた住まいから遠ざかる結果となります。
生活スタイルをはっきりつかむ
たとえば、共働きなら、朝は大忙しになる。
朝食の支度と片付け、子供がいれば小さな子供の世話、洗濯や掃除、そして自身の外出準備、ゴミ出しや保育園への送迎など。
とにかく1秒でも惜しい。
だからこそ、家事はできるだけ効率的に済ませて、1日をスタートしなければならない。
また、買い物は週末にまとめておこない、ストックしておくことになる。
それなのに、朝から1階と2階を何度も往復しなければならなかったり、炊事と洗濯の場所が離れていたり、家族で洗面所の取り合いになったり、収納スペースが不足していたりしたら、外観や内観がどんなに立派でも毎日不満ばかりが溜まる結果になります。
これはあくまで一例ですが、暮らしのイメージがなければ、家づくりはうまくいきません。
外観や内観デザインばかりに目が取られて、生活の実態に全然合っていなければ、あとで後悔だけが残ります。
家づくりをスタートしたら、住宅展示場へ行くのではなく、間取りは考えるのではなく、今の暮らしの実態を振り返ることからはじめましょう。
住まいへの不満をまとめておこう
せっかく注文住宅で家を建てるわけですから、現在の住まいに対する不満はできるだけ解消したいものです。
そこで、家族の一人ひとりが今どんなことに不満を持っているのか、1日を振り返りながら、家族共有の家づくりノートにまとめてみるのも良いでしょう。
最初は不便や不満に思っていたことも、毎日の暮らしの中で慣れてしまっていて、不便や不満を感じていないこともあるかも。
改めて暮らしを具体的に、そして客観的に振り返ることで、我慢していたことや無駄なことは意外とたくさん見つかるはず。
そういったことを家族全員で出し合い、そして意見の交換をし、情報を共有することで、家づくりの第一歩を踏み出せる状態になるのです。