動線上に収納を設けると片付く家になる
日々の生活で改めて片付けをするというのは実に手間ひまがかかる。
そこで、家事動線や生活動線の通り道沿いに適所収納を設けることでラクして片付けできる家になる。
片づけをしなくても片付く家にすることも可能だ。
片付けは日々のストレスに
モノが散らかっている、どこに置いたのか忘れる、家族の誰に聞いても探し物が見つからない、取りに行くのが面倒・・・
こういったことはその人の性格だけではなく、収納計画にも問題があることも。
モノがなくならない、見つけたいものがすぐに見つかる、時間をかけずに片づけが済むためには、工夫が必要。
それが「使う場所のそばに使いたいものがあること」。
当たり前といえば当たり前だが、使い物が遠くにあるだけでも取りに行くのが億劫なのはもちろん、後片付けはさらに面倒だ。
使いたいものが、その使い場所のそばにあれば、すぐに取り出して使用後はそばにある元の収納場所に戻すだけでよい。
このように使う場所に使いたいものがあるだけでも収納はグンッとラクになり片付けもラクになる。
そのために重要なのが、「動線と収納をセットで家づくり計画すること」。
動線と収納はワンセットで考える
モノにはそれぞれ収納すべき場所、収納しておくと良い場所がある、それが「適所」。
その「適所」をどう決めるかを知るには、家事動線や生活動線など「動線」を考える必要がある。
考える場所としては、玄関、キッチン、ダイニング、リビング、洗面所、浴室、トイレ、寝室、バルコニー周りなどが主な場所になる。
たとえば、リビングで使うものがキッチン周辺、たとえばパントリーにあったらどうでしょうか?
わざわざキッチンパントリーに取りに行き、使い終わったらまたリビングからパントリーに戻しに行くという動きが必要になります。
使う場所と収納する場所が違えば、また距離があればあるだけ片付けることにストレスを感じますし、自然と片づけをしなくなってしまうでしょう。
片づけをしないと、ますますいざ使用するという時にどこにあるのか行方不明でますますストレスが溜まるという悪循環になります。
これを解消するためには使う場所と収納する場所が近くにあること。
キッチンで使用するものはキッチン回りに、洗面所で使うものは洗面所周辺に収納することで片付けもラクになり、結果として家事もスムーズにいくようになります。
多少、部屋を小さくしてでもモノの収納は適所でそれぞれ設けたいものです。
間取り図に実生活の動線を落とし込む
具体的に家づくりに入ると間取り図を作成していきます。
工務店からファーストプランの間取り図をもらったら、今の生活と新居後の生活をシュミレーションしてどこにどんなモノを置くのか、収納しているのか考えてみましょう。
子ども達は今は個室で勉強させているが、新築したらリビングそばに勉強カウンターをつくってそれで勉強させたいと考えていたとしたら、勉強カウンターのそばには、本棚や文房具、ゴミ箱など必要になるでしょう。
LDK内なので丸見えが嫌という場合は、建具やロールスクリーンで簡易に仕切るなども検討する必要があります。
オープンにしてLDKのアクセントになる空間にしたいなら、壁や天井、建具や造作などで工夫を凝らすとより魅力的な空間になります。
これまでの生活スタイル、これからの生活スタイルを間取り図を元に追っていくことで、収納不足になっていないか、収納が過剰になっていないかを想像することができます。
収納はあるに越したことはないですが、収納と一言で言っても、横幅や高さ、奥行、間仕切りの有無は「何を収納するか」が決まっていれば、より効果的な収納を設計段階から作りこむことができます。
ぜひ動線と収納をセットで考えて、必要な箇所に必要なモノを収納できる適所収納をつくっていくようにしましょう。