ラクできる洗濯からの家事動線を考える
寝室で起きて、トイレへ行き、洗面所で顔を洗ったり歯を磨いたり、そして服を着替えて、朝食を取り、会社や学校へ向かう。
このように生活動線はある程度違いはあれど各家庭ごとに順番が決まっています。
そのような生活動線や家事動線の中でも意識して建物の設計をしたいのが「洗濯からの家事動線」です。
なにせ「洗濯」に関する家事動線は大きな動きがともなう家事動線だからです。
「洗濯動線」は、洗濯物を脱ぐ、洗う、干す、取り込む、たたむ又はアイロンを掛ける、収納へしまうという一連の動きに大きな移動がともないます。
一般的にあるのが、1階の洗面所で服を脱ぎ、洗濯機で洗う。
そして階段を上って2階のバルコニーなどで洗濯物を干す。
帰宅したら、洗濯物を取り込みを1階へ降りて、服をたたむ又はアイロンを掛ける。
服をたたんだら、2階の各寝室へ収納する。
このような動線が生まれることになります。
1階と2階を行き来する機会が多いこの洗濯動線の負担を少しでもラクにしたいものです。
肉体的な負担を減らし、また作業効率を上げることで家事動線をより利便性の高いものへ。
それにはまずそれぞれの動作の位置を近づける必要があります。
また適切な収納を設けることも重要です。
1階の床面積を多少減らしてでも、1階の洗面所近くから勝手口で外へ出て物干しスペースをつくると、「洗濯物を脱ぐ、洗う、干す、取り込む」の動線は最小で済みます。
また洗面所に隣接した場所へ家事室などを設けると「取り込みからたたむ又はアイロンを掛ける」の動線も最小で済みます。
さらに家事室などに収納スペースを設けることで「たたむ又はアイロンを掛けるから、収納へしまう」という動線も同一で済みます。
物干しスペースや家事室を設けることで1階の床面積は小さくなりますが、たとえばホールを小さくしたり無しにしたり、あるいは階段下スペースを有効活用するなど一工夫で小さくてもスペースを生むことは可能です。
また、バルコニーがある2階へ洗面所や浴室などを持っていくのもいい案です。
洗濯動線は、毎日のことですので、少しでもラクになるような建物の設計が求められるでしょう。