現代の家ではシックハウス問題は無縁なのか!?
現代の家において「シックハウス問題」は無縁なのか!?
現在の建築業界ではホルムアルデヒドの発散量が少ないF☆☆☆☆の建材が広がったおかげでシックハウス問題は解決したかのように思われている方も多いかもしれませんね。
一定数値以下のホルムアルデヒド濃度の建材しか使っていないからシックハウスなんて今どき死語だと言われる方もいます。
でも本当でしょうか?
実はいまだに新築を建てたり、新しい建材でリフォームされた方でもシックハウスに悩まれている方は多くおられます。
ホルムアルデヒドの発散量が少ないF☆☆☆☆の建材を使っているのになぜと思われるかもしれません。
それには訳があります。
ここで、まず基本的なことですが、シックハウス症候群とは何か?
これは、住宅の高気密化にともない室内の空気が外に漏れにくくなったことで化学物質をつかった建材の使用により室内空気が汚染されて住人の体調に悪影響を及ぼすことです。
特に家で過ごすことが多い幼児などは、室内の空気の摂取量が大人の2倍あると言われており、より幼児への配慮が求められていると言われています。
(大人は体重1kgあたり0.3m3/日なのに対して、赤ちゃんや幼児は体重1kgあたり0.6m3/日という東京都福祉保険局の
ホルムアルデヒド濃度が上がるにはさまざまな原因が考えれます。
・F☆☆☆☆の建材を使っていても、室内の温度が上昇するとホルムアルデヒド濃度がF☆☆☆☆規定値より増加するため。
・建物を建てる建材には規制がかかっていますが、家具などにはホルムアルデヒドに関する規制の対象外のため、この持ち込んだ家具から室内にホルムアルデヒドが発散される。
・気密性の高い家では室内の空気が汚れてホルムアルデヒド濃度が濃くなるため計画的な換気が必要だが、その換気である24時間換気も、熱い熱気や寒い冷気などの外気を室内に取り込みたくない理由で、実質稼働させていない家庭が多い。
・その他にも、集成材をつかった構造材や接着剤でベタベタと張り合わせた内装材なんかも無縁ではありません。
このようにホルムアルデヒドの発散量が少ないF☆☆☆☆の建材が普及したとはいえ、実態はまだまだシックハウスとは無縁といえないのが現代の住宅なんです。
住宅業界において家を建てられる方の多くは子育て世代の方といっても過言ではありません。
自分の家を建てる時には、どんな構造材を使っているのか?どんな内装材を使っているのか?シックハウス対策としてF☆☆☆☆の建材を使用するという以外にどんなことに取り組んでいるのかを工務店やハウスメーカーには聞くべきです。
「F☆☆☆☆の建材を使用しているから大丈夫ですよ」
こんな言葉に騙されてはいけません。
自分自身がシックハウス未経験で気にしないという方であっても、これから新たに暮らす新居でシックハウスに悩むことにならないよう、構造材や内装材など使用する建材には気を配った家づくりをおこなっていただきたいものです。
大切なことはこのようなシックハウスの現代で起きている事実を知り、家づくりの際には自ら行動して確認することです。