シロアリと高気密高断熱の家の落とし穴
現代の家は高気密高断熱の家という冬型の家づくりが主流です。
室内にいると快適で過ごしやすい家づくりだと言えます。
しかし一方でこの高気密高断熱な家にも落とし穴があります。
それがシロアリ被害です。
シロアリは暖かい地域に生息しており、家の床下などの湿度が高くてジメジメした空間が大好き。
またそういった湿気の多い箇所は木材も腐りやすいためシロアリの被害が多いのは昔から知られている事実かと思います。
シロアリは木造住宅の基本となる土台や柱などの木材や断熱材など食べ散らかす厄介者です。
このシロアリは、暖かくジメジメしたところが大好きなので、実は高気密高断熱の家はシロアリにとっては住みやすい環境なんです。
特に風通しの悪い床下や結露が発生する場所に多く発生し、建物の重要な部分をどんどん食べていきます。
本来シロアリの活動ピークは春頃と言われていましたが、近年の高気密高断熱住宅の“おかげ”で、常に暖かくてエサも豊富な状況が一年を通してあるので、シロアリも一年中活動しているとさえ言われています。
土台や柱へ被害、そして床下という普段ではあまり目にすることない環境でシロアリは増えていくため、早期に発見するのが難しいと言えます。
もちろん新築時にはシロアリ薬剤処理などは一般的におこなわれていますが、その薬剤の効果は長くて5年程度です。
もちろん5年ごとに高価なシロアリ駆除および薬剤塗布とおこなえば良いのですが、金銭面と、ついうっかり忘れで多くの方は新築時以降にシロアリ処理工事をおこなっていません。
このようにシロアリの住宅への悪影響は大変大きいにも関わらず、新築入居後の対策は十分には行われていないのが現状です。
いくら長期優良住宅や耐震等級の高い耐震住宅を建てても、家の骨格といえる土台や柱などの木構造の骨組みがシロアリ被害にあってしまっては意味がありません。
そこで重要なのが、「どんな構造材で家を建てるか」だと思います。
シロアリ薬剤処理を5年おきにおこなうことも良いですが現実的ではないので、代替案として考えられるのが「シロアリ被害を最小に食い止める木材をつかって家を建てる」ということです。
そして、その最適な木材として、国産材のヒノキやヒバがその代表格と言えます。
近年の多くの家では欧米やオセアニアなどからホワイトウッドという木が輸入されて、その木を土台や木材に利用して家を建てています。
これはいくら薬剤処理していたとしても、シロアリ被害の観点からは決して土台や柱など家の重要な箇所に使うべきではないと考えます。
高気密高断熱の家であることはとても重要ですが、シロアリ被害から我が家を守る観点からも、高気密高断熱というキーワードだけにとらわれるのではなく、ぜひ構造材という目に見えなくなる部分にも目を向けた家づくりを意識し、そしてその構造材には国産材ヒノキを使って建てるべきだと私は考えます。